「解釈力」を育むには?

上記のロードマップは、脳が言語をインプットし、文章解釈力を高めていく過程を、習得方法の段階に分類したものです。

母国語(=日本語)を習得する過程では、絵や日常生活の文脈を手がかりに、辞書を使わず「なんとなくの意味を推測する力」を自然に養うことができています。

ですが、従来の日本の英語教育では、ロードマップの前半の土台(STEP 0〜3)のステップがほとんど省略されてしまっています。機会があっても、圧倒的に不十分な量であることが多いです!

その結果、英語学習者は十分な準備がないまま、学校の授業や試験でいきなり英文読解(STEP 4〜6)に向かわざるを得ない構造になっています。「目で文章を追いかけても、中身を解釈できない」問題にぶつかることになります。

各ステップがどのような役割を担っているのか、言葉の発達とともに、詳しく説明します。

英語教育では足りない土台パート

STEP 0:絵だけで解釈

解釈

絵を手がかりにして視覚的に物語を楽しめている状態。

単語

apple=🍎 のように、文字・音と「視覚的なモノ」が一対一で直感的に結びついている段階。

STEP 1:絵を中心に短文を解釈

解釈

文字と絵が組み合わさったストーリー展開を楽しめている状態。

単語

日常生活の行動や感情にすぐ変換できる「基本単語」が定着している段階。

STEP 2:挿絵を添えて、文章を中心に解釈

解釈

地の文(説明文)をスムーズに読み、頭の中で状況をイメージできている状態。

単語

単語単体ではなく、短文や簡単なフレーズの中で、その単語がどう使われるかの「型」(=コロケーション)を理解している段階。

STEP 3:文章を中心に少し長めのストーリーを解釈

解釈

挿絵が少ない本でも、文脈から物語の世界を想像・理解できている状態。

単語

多少知らない単語に出会っても、前後の文脈やニュアンス(プラスかマイナスかなど)から意味を推測して読み進められる段階。

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試験でいきなり登場する英文読解

STEP 4:1つの長いストーリーを解釈

解釈

長いストーリーを最後まで読み切る集中力があり、複雑な伏線や多層的な人間関係・登場人物の心情の変化を迷わず追えている状態。

単語

日常会話を超えた幅広い語彙や、言葉の細かいニュアンス・心の動きを整理して定着できている段階。

STEP 5:社会について読み解く

解釈

社会背景、歴史、抽象的な概念が含まれる世界観をリアルに理解できている状態。物語だけでなく新聞や論説も解釈できます。

単語

「馴染みのない硬い日本語訳」に対して、自分なりの言葉やコアイメージで『落としどころ』をつけ、概念としてストックできている段階。

STEP 6:問いを持ちながら読み解く

解釈

正解がなくても、自分なりの「問い」を抱えたまま、テーマを味わい深く読み終えられる状態。つまり、クリティカル・リーディングができる状態です。

単語

歴史的背景や皮肉・比喩までを理解し、ただの「暗記」を超えて、自分の思考や表現の道具として言葉を使いこなしている段階。

土台構築が不十分なことによる弊害

  • 言葉が「自分ゴト」にならない: 感情やイメージと結びつけるフェーズがないため、単語の日本語訳を見ても頭の中で「落としどころ」がつけられず、ただの丸暗記になってしまう。
  • 「推測力」が育たない: 文脈から推測して読むというスキルが、授業や試験の和訳課題では、むしろ「不正確なもの」と見なされてしまうこともあり、「なんとなくの理解だけじゃだめだ」と考えてしまう。
  • 「返り読み」に執着してしまう: 知らない単語に出会うと不安になり、一字一句を正確に日本語の文法に当てはめて訳すことに縛られてしまう。

みなさんは英語学習において、このうち、どのステップを重点的に取り組んだ覚えがありますか?

わたし自身の英語学習を振り返ると、ステップ0の視覚的な直感との結びつきや、ステップ1の絵と短文でストーリーを楽しむ段階に取り組んだ記憶はあまりありません。中高時代の教科書がステップ2や3(挿絵+文章、短編での解釈)に当たる印象ですが、たいした量をこなしていないのでノーカンとしておきます😂

わたしにとって英語でのステップ2~3を本当に経験したのは、ガリ勉を始めた大学時代です。大学の蔵書にネイティブ子ども向けの多読教材があって、これを片っ端から読んでいました。また、英語のニュース、小説や伝記、学術論文なども大量に毎日読んでいました。100%理解できない文章でもとにかく読むというかんじで。細かいことは気にしないスタンス!この多読経験から、今に至る!という感じがしています。

(日本語(=母国語)においては、幼い頃の絵本から始まり、すべてのステップをきっちりと大量に踏んできた感覚があります。これも今の解釈力の素地ではあるのですが、話が脱線するのでまた今度!😂✨)

母国語であれ外国語であれ、言語発達のステップをどこか飛ばして学習を進めてしまうと、本質的な「解釈力」が育ちにくいという問題があります。(高度な言語処理能力は、数学と一緒で、基礎の積み重ねのうえに成り立つものだからです!)

ですが、とくに従来型の英語教育では、単語帳での暗記や文法ルールの詰め込みに偏り、言葉をイメージや文脈と結びつける前半のステップを丸ごと飛ばしてしまってきた方が大半かと思います。(わたしも学校教育だけでいえば、そうです。)

では、大人になったみなさんが、英語学習において飛ばしてしまった前半プロセスをどう補えばいいのか?絵本に戻る必要はないですよ🎵


解釈力を養うアプローチ

上記プロセスの前半パートを補うことを意識して、以下の「解釈」アクティビティを学習に取り入れましょう!

1

単語の日本語訳を「日常語」に翻訳し直す

難しい単語の直訳をそのまま覚えるのではなく、自分が普段使っている実感の湧く言葉に変換し、脳へ定着させます。

2

背景知識を活用して「推測力」を補う

自分の専門分野や、すでに日本語で結末を知っているニュースの英文を読むことで、文脈から単語の意味を推測するプロセスを強制的に働かせます。

3

単語単体ではなく「言葉のカタマリ」でインプットする

1語1訳の丸暗記を避け、フレーズやコロケーションごとインプットすることで、実際の文章における「使われ方の型」を身につけます。

4

完璧な和訳を止め、「前から読む」を徹底する

一字一句を正確に訳す「返り読み」の癖をなくし、多少分からない箇所があっても左から右へ読み進めることで、文脈から意味を推測する力を稼働させます。

この4つのアプローチは、幼児が絵本を通じて母国語を吸収していくプロセスと同じ!🐻‍❄️✨
幼児は新しい言葉に出会ったとき、辞書的な意味で覚えることはないですし、挿絵から知らない言葉の意味をどんどん推測しながらストーリーを追っていきます。そして、 幼児は単語を1語ずつ切り離して暗記したりしないし、親に絵本を読んでもらっているとき、幼児は決して戻り読みをしませんね!

ご自身の現在の立ち位置を確認して、足りないステップを意識的に補うアプローチを試してみてくださいね。

しろくまスタディセッションでは、この「解釈力」を高めることを英語学習そのもの以上に重視しています!

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(C) Shirokuma Study Session