「どんどんたくさん解いてる」けど「伸び悩む」!?

英検のリーディングやリスニングなどの問題を解き終わったとき、「答えを見て終わり」となってしまうことはありませんか?たとえば、模範解答や解説にすぐ頼ってしまい、深く考えずに進めてしまうことや、「なぜそうなるのか分からなかったけど、キーセンテンスにあたる部分だけ確認すれば大丈夫」と、文脈推測を省略してしまうことはありませんか?

また、YouTubeなどの解説動画を見たり、AIに聴いたりして、「先生/AIが教えてくれるものを聴いて/読んで終わり」となったり、模試や過去問を解くだけで復習をせず、ミスの原因をあいまいにしたまま次に進んでしまうこともあるのではないでしょうか。


※ここまでを読んで「精読をして丁寧に復習している!」 と思った方のなかで、成果に変化が現れていない方は、前に書いた内容「しっかり読んでいるのに、論点の変化に気づかない現象」を読んでください。

もし上記に挙げた特徴に該当していると思うなら、今対策として取り組んでいるものは、「本質的な理解」ではなく「納得した気分」で終わってしまっているかもしれません。そして本当は理解していないのに、どんどん新しい問題を解き、「形だけ」先へ進んでしまっているのかもしれません。つまり、限られた貴重なリソース(問題と時間)を、ただ消化するだけになっているかも…。

これらはすべて、「誰かや何かが、何とかしてくれている」+「自分はそれを受け取るだけ」という状況を作ってしまっていて、学びに対して非常に「受動的」になっている状態です。

本来なら「なぜこうなるのか?」「自分はどこで間違えたのか?」と自分自身で問い直したり、答えを出す前に一度立ち止まって考えることが大切ですが、受け身の姿勢だとそのプロセスを飛ばしてしまいがちです。

その結果、学習の主語が「自分」ではなく「他人が提示してくれた答えや解説」になってしまい、自分の力で理解したり応用したりする力が育ちにくくなってしまっているんです。そのためどんなに問題に取り組んだとしても、変わらない状況のなかでもがくことになってしまいがちです。

また、記憶が短期で消えてしまうというのも、こうした受動的な学習の特徴なんですよね。例えば、答えを見て「解答について、わかったつもり」になっても、実際には自分の中でしっかりと理解していないため、すぐに忘れてしまうことが多いんです。根本的な「解き方」が記憶に定着しにくいということは、やはり本番での成果に繋がりにくいということになります。

コヤマ ケイコ

Shirokuma Study Session
English Learning Designer

しろくまスタディセッション代表。英語教育・学習マネジメントがテーマの個人事業主です。英語の学習をより効率的かつ効果的なものにするべく、教育方法をデザインしています。英作文やスピーチを添削をする傍ら、本を書いたり、学習ツールを作成したりしています。