FREQUENTLY ASKED QUESTION
それなりに英語を勉強してきたはずなのに、中学校の教科書みたいな表現から抜け出すことができません! かといって辞書で訳を調べると、難しすぎることばが出てきて使いにくかったりします。本当はもっとかっこよく英語らしい英語の文章を書きたいのに…。
生徒の英作文を読んでいると、突然難易度の高すぎる単語が出てくることがあります。辞書で調べた単語を使ったようなんです。表現の幅を広げたいという気持ちと努力はすごく伝わるのですが、たいていそれらの単語は1度使ったきりで、忘れられてしまいます。そして試験では辞書は使えないのに辞書を使っては、自分の持つ語彙の応用力がつきませんね!
1 新しく使う・覚える単語のジャンルに優先順位をつけよう!
【優先レベル1位】
助動詞・接続詞・前置詞といった文の基盤を作ることば
これらのことばは、どんなジャンルの文章にも使え、数も限りがあります。そして意味と使い方を覚えれば覚えるだけ、的確に言いたいことを表現できるようになります。さらに受験生のみなさん! こいつら長文読解の語彙選択問題の常連ですよね! 一石三鳥? 最高か!?
- 助動詞 … can / will / must / should など、動詞に意味を加える
- 接続詞 … because / when / that など、文と文をつなげる
- 前置詞 … about / of / in / for / at など、名詞とセットで使う
【優先レベル2位】
あらゆる状況で使える動詞・副詞・形容詞
たとえば、「可能にする」(enable)、「certainly」(確かに)、「たくさんの~」(a great amount of ~)などがあります。これらの単語は自分の主張を表現したり、強調したりするのに役立っています。もちろん、どんなトピックにも共通して使うことができることばで、使い勝手◎!
【優先レベル3位】
専門用語や特定の分野でのみ使う名詞・動詞は後回し!
具体的な道具や素材の名前など、限られた分野でのみ使われることばです。読める力はある程度必要なのですが、書く分には後回しにして大丈夫です。たとえば「ハサミ」(scissors)や「鉄」(iron)などを正しく英語で書く力は、少なくとも英検2級やTOEIC Writingでは英作文のテーマからそれているので必要ありません。(国立入試の英訳では必要です)もし仮に、経験などを話すうえで必要になったとしても、直接名詞を書く代わりに文章で似たようなことを表現すればいいのです。
2 同じ意味の単語は1つにしぼって使いたおそう!
「言う」という表現1つに対し、いろいろな英語の表現があるんですよね。日本語でも「言及する」(mention)、「述べる」(state)など、場面によってことばが変化していきます。はじめのうちは、そのどれか1つを意図的に繰り返し何度も使って、完全に使い方とスペルを覚えてしまうことをおすすめします。使えるようになったら以下のようにステップアップです!
- look ~のように見える ⇨ seem
- plan ~を計画する ⇨ design
- need ~を必要とする ⇨ require
- decide ~を決定する ⇨ determine
- get ~を得る ⇨ acquire
3 同じ構文・語法を何度も使いまわそう!
構文というのは、決まりきった英文の形のことです。語法とは、動詞それぞれが持つ語順や使い方のルールです。
中学2年生くらいで「It is 形容詞 for 人 to 動詞」というのを暗記したことはありませんか? この構文は文字通り訳すことができるうえに、語呂がよく、語順も覚えやすいものなので、初心者の英作文にピッタリなんです! 文の出だしが「I」や「People」になりがちな方も、ことばの重複を回避することができますね。
本書では、このような使いやすい構文や動詞の語法を、何度も使い回す構成になっています。課題として出した構文以外にも、自分で「目当ての構文」を決めて、毎回使うようにすると自然と定着しますよ! さらに構文を使って書いた文章を声に出して読むと、スピーキング・リスニング(英会話!)の練習にもなるのでおすすめです。
日本語でも英語でも、表現力を高めるには、反復練習あるのみなんです!
単語帳を丸暗記すれば、知っていることばの種類は増えたといえます。しかし、それだけで文章が書けるようになるかというと、そんなことはありませんね。「ことばが使える」というのは「知っている状態」の先にある技能だからです。文章中でことばを使うためには「そのことばはどのような意味を持っているのか」、そして「そのことばは文中のどの位置に置かれるのか」(「品詞」といいます)ということを分かっていなければなりません。
では、それらを分かるにはどうしたらいいかというと、ただひたすらに経験を積むのみなんです! 「読む力」を育てるための入り口は絵本です。少しずつ文字が増え、漢字が増え、絵が減っていき、考えさせる要素が増えていきます。児童書から小説になり、授業や入試で論説文に触れます。大学生になると論文を読み、社会人になると保険や賃貸など、さまざまな契約書を読むことになります。そのとき体系的に読めるかどうかで、理解度が違いますよね。
いずれ読むだけの立場から書く立場になる機会がやってきます。論文、取引先とのメール、業務の報告書、社内プレゼンテーションなどは誰にでもある機会です。読む経験は必然的に段階を経て訪れますが、現代の日本において、人生のどのタイミングで書くことを学ぶのでしょうか? 学ばずに説得力のある文章をとつぜん書けるようになるでしょうか? 本書にて31回の作文を通して学ぶことは、「社会で生きる力」です。英語でやるのは「理論も言語も習得して一石二鳥だから~」くらいに考えていると、すこしは気が楽になりますか?