応用力を鍛える英文法の教科書 第5章

リスニング点UPには頻度×密度がものを言う!課題設定の方法

IELTS対策をされている生徒さんからご相談を受けたので、回答として送ったアドバイスをまとめることにしました。IELTSに限らず、高校・大学受験、英検、TOEICなど、リスニングの試験すべてに通じる内容です。

特に
映画や洋楽、ニュースで色んな英語を聴いてるのに…」
週に1回は学校の授業や自宅でリスニングの問題を解いて、スクリプトの確認や音読もしてるんだけど」
週に3~4回は学校の授業や自宅でリスニングの問題を解いているんだけど」
と嘆いている方は、もしかしたら、学習方法・課題設定を変更する必要があるかもしれません。努力の量のわりに、思うようにリスニングの点数が伸びない方にぜひ読んで実践していただきたい方法をご紹介いたします!

4 QUESTIONS TO CHECK YOUR EFFICIENCY OF LISTENING PRACTICE:

IN WHAT WAYS?

どのようなやり方で練習しているのか?

HOW MANY TIMES A WEEK?

頻度はどのくらいできているか?

HOW MUCH ANALYSIS?

自己分析はどの程度できているか?

WHAT ACTIONS TO TAKE?

どんな学習期間と対策方法がとれているか?

IN WHAT WAYS?

音声を聞きながら問題文を読むというのは、複合的な動作です。異なる2つの情報を、同時に咀嚼しなければなりません。さらに、リスニングテストあるあるな表現が学べる音声を聴くのが一番ですね。そのため、一番手っ取り早いのは受ける資格の過去問や対策問題に取り組むことなんです。

■洋楽<映画<ニュース<対策問題集<過去問

「映画や洋楽、ニュースで色んな英語を聴いてるのに…」とお悩みの方は、まずは過去問や対策問題に割く時間を増やすほうがいいかもしれません。

映画や洋画が英語学習に使えない、というわけではないんです。ただリスニングのテスト対策に向いているかと聞かれると、そしてそれが最短ルートかというと、ちょっと怪しいな、という感じなんです。その理由は、リスニングをするときの「態」にあります。受動的である様、能動的である様の2種類がありますね。比較してみましょう。

受動的なリスニング

洋楽・映画・ニュースによるリスニングは、受動的なリスニングです。情報をインプットすることがメインです。聴きながら、情景や出来事の理由などを考えるかもしれませんが、そのなかから正解を見つけ出すわけではありません。

能動的なリスニング

対策問題集や過去問を使ったリスニングは、能動的なリスニングです。情報をインプットするのと同時に、頭の中で要約し、さらに選択肢を理解し、最終的に要約と理解を元に選択肢を選ぶという形でアウトプットを行います。

というわけで、洋楽・映画・ニュースなどのリスニングは気分転換成長チェックにオススメです!

たとえ1日10分だとしても、義務的にリスニングをしていると、疲れてしまう瞬間があると思います。特にTOEICリスニングなどは、中身がなくて退屈かもしれません。そんな時は、気分転換を兼ねて、違うリスニングをしてみましょう。

作品やニュースのなかに学んだ表現が出てくると、成長を実感できますよね。検定資格のための勉強によって、どれだけ聞き取れるようになったか、そしてそれがどれだけ自分の生活を豊かにすることができるのか、という確認を行う意味でもオススメです!学習に実用性がなくてもいいかもしれないけど、でも実用性があるにこしたことはありません。検定資格対策の意義を、自分の実生活にも紐付けられたらお得ですね。

まだまだ世の中には、日本語には訳されていない作品やニュースがたくさんあります。一方で、世界の多くの情報は英語で書かれていたり、まず英語に翻訳されます。世界の情報を英語で先取りできるという力は、日本人にとってはかなりのアドバンテージだとわたしは思います。

なによりも、翻訳という他人の意図や意思を介すことなく、自分の言葉でコンテンツを理解するということに、大きな意義を感じます。

HOW MANY TIMES A WEEK?

まずは頻度を上げましょう。できれば毎日!一度に大問すべて、でなくてOKです。1日10分のスキマ時間でいいので、区切りのいいところまで、コンスタントにリスニングをし、経験値を積みましょう!

■週に1度の1時間<毎日10分

「週に1回、学校の授業や自宅でリスニングの問題を解いているし、スクリプトの確認や音読もしている」方の場合、英語を意識して聴く時間は7日間に1度だけです。

特に、問題を解いたあとに、きっちりスクリプトを確認して、音読をしているような努力家な方の場合、実際に英語を聴いている時間は30分から1時間程度だと思います。

7日間のうちのその他の時間は、母国語である日本語を聴いている時間です。週に1回30分から1時間を聴いただけでは、日本語の威力が強すぎて、英語に対する耳慣れの効果を期待することはできません。

英語耳は、記憶の定着と同じで、1度にたくさん聴いたからって、それがそのまま自分の力になるわけではないんです。週に1回1時間の単語学習が効果的ではないことと同じなんですね。リスニングも単語学習と同じように、頻度を上げて、コンスタントに取り組む必要があります。

■課題量のハードルを下げる

スクリプトの確認・意識した音読は、リスニング力を鍛えるのに効果的な学習方法ですから、継続したいところです。

そこで問題です。リスニング頻度を例えば毎日に設定したら、スクリプトの確認や音読まで毎日やる必要があるでしょうか?答えはNOです!過度な負担は、学習を遠ざけさせる原因になります。課題設定のハードルが高いほど、コンスタントな練習ができにくくなってしまいます。

だから時間や気持ちにゆとりのある時だけ、スクリプトの確認や音読を行いましょう。そのときは、以下のような学習がオススメです。

間違えた問題に印をつけておき、時間のできたときにいくつか選びましょう。今週分全部!とかでなくてOKです。ハードルを下げることが重要だということを忘れないようにしてくださいね。

HOW MUCH ANALYSIS?

能動的なリスニングをしっかり成功させるためには、「何が原因で、この問題を解けなかったのか?」という、自己分析が必要です。間違えた問題に対して、常に「なんで?」と自分に対して問いかけましょう。そしてうまく行ったときも同様に「なんで?」と問いかけましょう。

■自分を分析して弱みと強みを理解する

「週に3~4回、学校の授業や自宅でリスニングの問題を解いている」場合、頻度の条件はそれなりに満たしています。部活や仕事、人付き合いなど色々な都合があるので、実際には毎日は難しいかもしれないですから、週4回も取り組むことができたら上出来です!課題設定をキツキツにすると、先程も書いたように、負担になりすぎてしまいます。「本当は毎日やるのがベストだけど、最低週4回は取り組むようにしよう!」と、少しだけ自分に優しくしてあげることも大切です。

じゃあこの学習パターンの場合、何が足りないのか?それはおそらく「自己分析」です。

学校の授業でもありがちなのですが、「数をこなす」ことを重要視しすぎてしまうんですね。同じ単語を10回ずつ書く!とか、同じ文章を3回速読する!とかです。リスニングもそうで「週に4回、計80問に取り組む」という、「数」だけを意識してしまうのです。

ですがこれらの数字は、上辺だけの数字です。単語を10回書いたからって、必ず覚えるわけではありません。文章を何度読んでも、意味が分からないものは分からないままです。リスニングもひたすらがむしゃらに数をこなしたって、いくら耳を慣らしたって、解けないものは解けないままです。

その理由は、「IN WHAT WAYS?」の中でもお話したように、対策問題集や過去問を使ったリスニングは、能動的なリスニングが必要だからです。

能動的なリスニングとは、繰り返しますが、「情報をインプットするのと同時に、頭の中で要約し、さらに選択肢を理解し、最終的に要約と理解を元に選択肢を選ぶという形でアウトプットを行うリスニング」ですね。

この能動的なリスニングをしっかり成功させるために、自己分析が必要なんです。自己分析で「何が原因で、この問題を解けなかったのか?」に着目します。

考えられる原因は、これらの一体どれに当てはまるのか、というのを間違えた問題すべてに対し、考えていく必要があるんです。そして必要性が高そうなものであれば、それに対する対策を打っていくことになります。

ネガティブ・フィードバックばかりだと辛いので、どうにか褒めるポイントを探すのも継続するコツです!

わたしの場合、リスニングを解いたあとは、振り返りを解答欄の横にメモしています。TOEIC対策をしていたときのノートを見たら「No.56以降集中して取り組めた」(失点なし)「No.32~35は上の空だった」(4問中2問を間違えてる)などとありました。わたしはリスニング中に集中力を切らしがちなので、そこに関するフィードバックが多いです。

WHAT ACTIONS TO TAKE?

学習する期間を決め・弱点克服方法の見直しを行いましょう。

■少なくとも試験の2ヶ月前から始める

どのくらいの期間やるかというのも、重要なポイントです。理想は、現在から試験日までずっとです。

でも現実は、他にもやらなきゃいけないことがたくさん!プライベートの色々もそうですし、英語の試験だって、他の技能も伸ばさないといけないですよね。読解、英作文、スピーキング…。4技能を均等に伸ばすためには、リスニングばかりにかまけていられない!というのが実情だと思います。

そこでわたしがオススメするのは、(期間にゆとりがある方向けではあるのですが)、「少なくとも試験日の2ヶ月前からリスニング対策を始める」です。約8週間ですので、集に4回やるにしても、日数で言えば最低32日間、コツコツとリスニングに取り組むことになります。

ただし、2ヶ月前に対策を始める限り、絶対に上記で挙げた頻度と密度を守ってください。頻度と密度を維持できなければ、リスニングの点数は効率よく伸びません!2ヶ月という短期間で、コツコツみっちり行う。これをリスニング対策の課題として設定してみてください。

2~3年前くらいに改定後のTOEICを初めて、TOEIC対策なしで受験してみました。そうしたらスコアが前とたいして変わらず860くらいだったんです。とりあえず900超えれば就職に有利だろうと思っていたので、直後の試験(3ヶ月後)も申し込んで、ここに書いてある通りに対策して、935までいきました。ただですね、3ヶ月のあいだの真ん中1ヶ月は飽きてサボってました。笑 なので、2ヶ月がちょうどいいのかなと思います!もちろん、目標とする資格やスコアが、自分の実力からかけ離れていないことが前提です。

■分析をしたら、弱点に合わせて対策をする

自己分析項目をざっくり大きく分けると、「聞き取れているのに間違えた」「聞き取れていないから間違えた」の2つに分けることができます。問題ごとの分析結果に合わせて、取るべき対策を変えましょう。

聞き取れているのに間違えた問題
聞き取れていないから間違えた問題
全体的にスクリプトを読んでも理解できない場合

ほとんどの問題に対して「聴いて分からなくて、スクリプト読みをしても分からない…」という方は、リスニングの前に語彙力の増強と、センター試験レベルまでの高校基礎文法の定着が必要です。

単語に関しては、単語帳丸1冊覚えるにはかなりの時間が必要ですし、実際には理解していなくてもいい専門用語が多くありますので、優先して覚えるべき単語の取捨選択を心がけましょう!

語彙は「ベーシックレベルの論理マーカー(スペルが難しくないもの)」から、文法は「ベーシックな助動詞、接続詞、関係詞、分詞」からです!

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